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航空歴史館 技術ノート 掲載13/01/12
追加15/04/22

リモートセンシング 空中磁気探査の歴史

 

  シコルスキーS-55による磁気探査(地質調査所)
ピラタスPC-6 ポーター JA3201による磁気探査(地質調査所)
ダグラスDC-3 JA5078による磁気探査(石油資源開発公団 ボルネオ)(地質調査所 国内)
YS-11 JA8611 JA8612による磁気探査(地質調査所)
ビーチクラフト65 クイーンエア N9AGによる磁気探査(地質調査所 1982年)  
セスナ404による磁気探査(地質調査所)
ガンマ線測定による空中地下探査(日本農林ヘリコプター) 
付表 地質調査所が行った空中磁気探査一覧表

 

シコルスキーS-55による磁気探査(地質調査所 1960年代)別1

JA7055(全日空)かJA7068(新三菱重工)かのどちらかと思われます。

地質ニュース 133から

 

PC6

ピラタスPC-6 ポーター JA3201による磁気探査 金澤理勝  別2

 地質調査所が航空機を使い始めたのが昭和34(1959)年からで、当時第一線から退いたシコルスキーS-55で昭和39(1964)年まで利用されました。

 長距離飛行と航続時間、偏流修正と保針に難点があり、更にキャビンスペースも狭く、このため機動性に富んだ固定翼機が選定されました。

 その名はスイス製のピラタス・ポーターです。昭和41(1966)年6月に秋田空港をベースに八郎潟干拓地を上空から碁盤の目のごとく探索した様子を書いた当時の「航空時報」(昭和41年8月1日)があり、中からの写真を送ります。

伊藤忠商事がエージェントで輸入したばかりの「JA3201


機内の観測機器はアナログでした


八郎潟干拓地の上空を機体から吊りおろされ探索中のバード

DC3

ダグラスDC-3 JA5078による磁気探査
      (石油資源解発幸公団 ボルネオ 1967年)
      (地質調査所 国内 1968〜1969年) 別3

伊藤忠航空のダグラスDC-3 JA5078 日本におけるDC-3の歴史JA5078参照

 1967(昭和42)年8月から石油資源開発公団の委託でボルネオのカリマンタン地域での石油資源の探索活動を行いました。この写真は、その試験飛行時のものと思われます。下面に吊った地磁気受感装置は、内部の手動ウインチで45メートルまで伸ばします。後部胴体にGEOLOGICAL SURVEY OF JAPANと記入し、伊藤忠航空のロゴもローマ字に変えました。

  1968〜1969年には通産省工業技術院地質調査所の委託で断層帯などの空中磁気探査を行いました。   

YS

YS-11 JA8611 JA8612による磁気探査(地質調査所 1970〜1978年)

  参照 YS-11試作1・2号機による空中磁気探査について

      

65

ビーチクラフト65 クイーンエア N9AGによる磁気探査(地質調査所 1982年)  
1960/10/17 c/n LC-51 N9AG
  AIRBORNE GEOPHYSICS INC  カリフォルニア州サリナス市
1982 地質調査所がチャーターして探査したものと思われる 下記
2013/06/27  抹消登録
   

Airbone Geopysics (地球物理) 社からチャーター  撮影1982/10/28 名古屋空港 高尾 眞 

C404

セスナ404による磁気探査(地質調査所)  
  c/n404-0065 N5448G
1979/12/05 JA5264登録 中日本航空 定置場名古屋空港
  地質調査所が空中磁気探査機として使用
2014/10/06 抹消登録 アメリカへ売却

中日本航空 JA5264

85日本航空機全集より


撮影1981/09 秋田空港離陸CTSsuga 下表「NEDO_THK」時と思われます


中日本航空 JA5267

  c/n404-0627 N504B
1980/07/30 JA5267登録 中日本航空 定置場名古屋空港
  地質調査所が空中磁気探査機として使用
2003/05/20 抹消登録 オーストラリアへ売却

撮影1991/08/09 名古屋空港 れある

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ガンマ線測定による空中地下探査  

 ガンマ線測定による空中地下探査法は、落合敏郎農学博士が開発し、1990年代に日本農林ヘリコプター鰍ェ各地で実施した 探査法です。

 工場立地、宅地開発、トンネルなどの土木事業や温泉地の開発などにかなり活用されたと言われ、ネットで検索すると落合博士の論文や著作が相当数でてきます 。その後の状況についてはよく分りません。

・ 原 理
 地球内部に存在する放射性元素は、岩石圏に集中し、断層帯から地表に放出されるので、それを測定することによって、断層帯、地下水脈、温泉源などを発見しようというものです。

・ 機器と作業
 ベル204Bの両側にガンマ線のセンサー機器を取り付け、機内のビデオカメラの映像に捉えたガンマー線検出地点の信号を入れるとともに垂直カメラのシャッターを切るという特許の仕組みでした。
 ベル204Bには、パイロット、ナビゲーター、記録係、写真係の4人が搭乗し、対地高度300ft、対地速度10ktを維持して、500m幅で碁盤の目状に飛行します。パイロットは電波高度計と足下の地上目的物を確認しながら飛行させ、ナビゲーターはコースの維持や後席の 記録係と写真係への指示などを行います。
 こうして、プロットした写真を基にして依頼者への地図が作成されていった訳です。

デッサン 片山秀次

落合博士論文所載の写真

エースヘリコプター(日本農林ヘリコプターの存続会社)時代のリモートセンシング

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付表 地質調査所の各探査での飛行高度・主測線感覚と使用機材等の一覧 1968年以降

1990年4月発行地質ニュース428号から転載

 M欄は磁力計センサーの設置方法で、B:バード、S:スティンガー 。  D欄は、ディジタルデータ収録処理の有/無(○/×)。  LS欄は、概略の主測線間隔。  飛行高度欄の「4500+」は4500ftを基準に、山岳部でそれ以上に上昇。  

 

略地域名
探査年 航空機
機種 
飛行
高度
(ft)
LS
(km)
空中 
磁力計
M D 定点 
磁力計
位置標定方法
SADO_N 1968 DC-3 1500
不詳
V4914 B × V4938 ドップラー+対地写真
NOSHIRO 1968 DC-3 1500 1。85 V4914 B × V4938 ドップラー+対地写真
ISHIKARI 1969 DC-3 1500 2。8 V4914 B × V4938 デッカ+対地写真
SADO_S 1969 DC-3 1500 2。8 V4914 B × V4938 ドップラー+対地写真
SAKATA 1969 DC-3 1500 2。8 V4914 B × V4938 ドップラー+対地写真
RISHIRI 1970 YS-11 1500 2。8 V4914 B × V4938 デッカ+対地写真
ABUKUMA 1970 YS-11 1500 2。8 V4914 B × V4938 ロランC+対地写真
SOYA 1971 YS-11 1500 2。8 V4914 B × V4938 デッカ+対地写真
AMAKUSA 1971 YS-11 1500 2。8 V4914 B × V4938 デッカ+対地写真
HITACHI 1971 YS-11 1500 2。8 V4914 B × V4938 ロランC+対地写真
TOKAI 1972 YS-11 1500 2。8 V4914 B × MDA7101 ロランC+対地写真
DOTO 1972 YS-11 1500 2。8 G804 B × MDA7101 デッカ+対地写真
DONAN 1972 YS-11 1500 2。8 G804 S × MDA7101 デッカ+対地写真
MIYAZAKI 1973 YS-11 1500 2。8 G804 S × MDA7101 デッカ+対地写真
OKUJIRI 1973 YS-11 1500 2。8 G804 S × MDA7101 デッカ+対地写真
HOKURIKU 1973 YS-11 1500 2。8 G804 S × MDA7101 ロランC+対地写真
SHMOKITA 1973 YS-11 1500 2。8 G804 S × MDA7101 ロランC+対地写真
TOTTORI 1974 YS-11 1500 2。8 G804 S × MDA7101 ロランC+対地写真
KUMANO 1974 YS-11 1500 2。8 G804 S × MDA7101 ロランC+対地写真
TEMPOKU 1974 YS-11 5000 2。8 G804 S MDA7101 対地写真
KAMUIKTN 3200
MUROTO 1975 YS-11 1500 2。8 G804 S × MDA7101 ロランC+対地写真
TOKACHI 1975 YS-11 1500 1。85 G804 S MDA7101 対地写真
ASHIZURI 1975 YS-11 1500 2。8 G804 S × MDA7101 ロランC+対地写真
HIDAKA 1976 YS-11 1500 2。8 G804 S MDA7101 ドップラー+対地写真
TSUGARU 1976 YS-11 1500 2。8 G804 S × MDA7101 デッカ+対地写真
GOTO 1977 YS-11 1500 2。8 G804 S × MDA7101 デッカ+対地写真
DAISETSU 1977 YS-11 8500 2。8 G804 S MDA7101 ドップラー+対地写真
AKITA 1977 YS-11 1500 2。8 G804 S MDA7101 デッカ+対地写真
TANE 1977 YS-11 1500 2。8 G804 S MDA7101 ロランC+対地写真
KITAMI_A 1978 YS-11 5000 1。85 G804 S MDA7101 ドップラー+対地写真
KITAMI_M 2。8
TOYAMA 1978 YS-11 1500 2。8 G804 S MDA7101 ロランC+対地写真
BOSO 1978 YS-11 1500 2。8 G804 S MDA7101 ロランC+対地写真
JOBAN1 1980 C404 1500 4 G804 S MDA7101 ロランC(対地ビデオで補正)
JOBAN2 1980 C404 1500 4 G804 S MDA7101 ロランC(対地ビデオで補正)
SANRIKU1 1980 C404 1500 4 G804 S MDA7101 ロランC(対地ビデオで補正)
SANRIKU2
ERIMOSMT
1980 C404 1500 4 G804 S MDA7101 ロランC(対地ビデオで補正)
KANTO1 1981 C404 1500 4 G804 S M8002 ロランC(対地ビデオで補正)
KANTO2 1981 C404 1500 4 G804 S M8002 ロランC(対地ビデオで補正)
SURUGA 1977-78 YS-11 1500 2。8 G804 S MDA7101 ロランC+対地写真
URAGA 1980-81 C404 1500 1。5 G804 S
(地理院KNZ
データ利用)
ロランC+対地ビデオ
NEDO_KSH 1981 C404
4500+
3 G813 S G803 対地ビデオ+ドップラー+ロランC
NEDO_THK
1981-82
C404 4500+ 3 G813 S G803 対地ビデオ+ドップラー+ロランC
NEDO_HKD 1982 C404 4500+ 3 G813 S G803 対地ビデオ+ドップラー
NEDO_CHB 1982 C404、
Beech65
4500+ 3 G813 S G803、 G813 対地ビデオ+ドップラー
NEDO_KNT 1982 Beech65
C404
4500+ 3-4 G813 S G803、 G813 対地ビデオ+ドップラー
NEDO_CGK 1983 C404 4500+ 4 G813 S G803、 G813 対地ビデオ+ドップラー
ISEWAN 1982-85 C404 1500 1。5 G804、 G813 S M8002
ロランC円航法+対地ビデオ
OKINAWA1 1982-83 C404 1500 5 G804、 G813 S M8002
ロランC円航法(対地ビデオで補正)
OKINAWA2 1983-84 C404 1500 5 G813 S M8002 ロランC円航法(対地ビデオで補正)
MIYAKO 1985-87 C404 1500 5 G813 S M8002 ロランC円航法(対地ビデオで補正)
ISHIGAKI 1986-89 C404 1500 5 G813 S M8002 ロランC円航法(対地ビデオで補正)
OSHIMA 1978 YS-11 3500 1。4 G804 S MDA7101 ロランC+対地写真
1986 C404 3500 1。4 G813 S
(東大野増
データ利用)
ロランC円航法+対地写真
ITO 1989 C404 2300 0。3 G813 S M8002 ロランC円航法+対地ビデオ
UNZEN 1991 C404 7500 0。5 G813 S
(京大阿蘇
データ利用)
GPS(対地ビデオで確認)
IRIOMOTE 1992 C404 1500 1。7 G813 S G856 GPS(対地ビデオで確認)

 <航空機機種名> DC-3:米国Douglas Aircraft社DC-3型(Skytrain)、 YS-11:日本航空機製造(株)YS-11型Turbo-Jet(佐伯注 Turbo Propの間違い)、C404:米国Cessna社404型(Titan)、 Beech65:米国Beechcraft社65型(Queen Air)
 <磁力計機種名> V4914:米国Varian社4914型プロトン磁力計 、 V4938:米国Varian社4938型光ポンピング磁力計、 G803/G804/G813/G856:米国GeoMetrics社G803/G804/G813/G856型プロトン磁力計 、 MDA7101/M8002:丸文(株)MDA7101/M8002型光ポンピング磁力計

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